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Hitachi

IちゃんとP(パパ)小野田君の会話が続きます。

イラスト

Iちゃん

パパ、今日は「災害と電話について」の中の「携帯とPHS」について話してくれるんだったわよね。
携帯はいつも携帯しているので、とても興味があるの!

Pパパ

「携帯はいつも携帯か」。面白い「駄洒落」だね。
まず、携帯電話(スマホを含む)、PHS、加入電話の関係を整理しよう。
それを図1に示した。
災害時には、とりわけ被災地と被災地向けの電話トラフィックが異常に膨らむことになるね。

図1 PHSと携帯電話、固定電話の発着信
PHSと携帯電話、固定電話の発着信

Iちゃん

「電話が出んわ!」って状態になってしまうのよね。(笑)

Pパパ

おいおい、災害時の話をしているんだよ。不謹慎な駄洒落だね。(怒)

Iちゃん

ごめんなさい。

Pパパ

私も駄洒落を言おう。
災害伝言ダイヤルの番号が“171”って説明したよね。
これを「忘れてイナイ<171>?(災害伝言171)」(忘れていませんかの駄洒落)と覚えることだ。エッ、寒い駄洒落だって?
でも、これは私が言い出したんじゃなくて、Kyotango City Fire Departmentってところが言い出しっぺなんだよ。

Pパパ

図2 災害に強い順
災害に強い順

どうも、今日は最初から乱れたが、本題に入ろう。
結論のような話を先にするとね、携帯端末の世界で災害に強いのは、
 第1位:PHS
 第2位:auの携帯電話
 第2位:NTTドコモの携帯電話
 第2位:ソフトバンクの携帯電話
という順になっているんだよ。

Iちゃん

えーっ!携帯3社は全く同じなの?
それに、なぜPHSが一番強いのかも教えて!

Pパパ

携帯電話3社の同率2位には、いろいろ意見があるんだが、PHSが1位の理由は、特別災害対策に敏感というわけではなくて、PHS本来の仕組みのせいもあるんだがね・・・。それは、

  1. 基地局が重なりあうように配置されていること
  2. 隣り合う基地局同士で、変電所をわざと変えて設置していること

が、大きな理由なんだ。
一般に、PHSが災害に強いというのは、このためなんだ。

小野田君

その意味をもっと詳しく教えてください。

Pパパ

まず1だが、PHSの基地局の重複配置は、災害に備えるためというより、基地局同期を取るため(基地局同士が、お互いの電波の届く範囲にいる)なんだが、結果的に災害時に強いという特徴につながっているんだね。
これに対して携帯電話の基地局は、別の方法で基地局同期を取っているため、必ずしも基地局が重なりあうようにはなってはいないんだ。

Iちゃん

そうなんだ。
別にウィルコムが特別に頑張っているってわけではないのね。(笑)

Pパパ

1はそうだね。
2は、電力系統が違っていれば、ある基地局がダメになっても別の基地局で通話ができるよね。これはズバリ災害時でも通信できるようにという配慮でもある。基地局の範囲は重なりあっているので、この特徴が活かせるのだよ。

Pパパ

今回の東日本大震災もそうだが、過去に起きたいくつかの地震で、「被災地でもウィルコムは通話できた」と言われたのは、これが理由だと思うね。

Iちゃん

じゃあ、「PHSは災害に強い」って宣伝したらいいのに!

Pパパ

ただね、今回の地震・津波のように、街全体が壊滅的打撃を受けたときは、基地局全部が使用できなくなるので、被災地では通話できなくなるね。
今回、被災地以外で通話ができたのは、輻輳(ふくそう)が少なかったからだが、これは「マイクロセルによる効果」と「利用者が少なかった」ことと、両方の要因があると思うね。

小野田君

その「マイクロセル」って何のことですか?

Pパパ

通信インフラの面で、PHSが携帯電話と大きく異なっているのは、基地局からの電波の出力なんだ。携帯電話は電波の出力が強く、1つの基地局で幅広いエリアをカバーする「マクロセル方式」だ。これに対して、PHSは電波の出力が弱いことから、より多くの基地局を用意することでエリアのカバーを行う「マイクロセル方式」を採用しているんだよ。

Iちゃん

だから、どういうことなの?

Pパパ

マイクロセル方式は,携帯電話に比べて同じ面積当たりの基地局数が非常に多いことから、必然的にトラフィックも分散され,1つの基地局に対する負担が低くなるんだ。
PHSの基地局は全国に16万局もあるんだよ。
そのため、基地局に対する輻輳(ふくそう)は、携帯電話と比べて起こり難いことになる。ウィルコムは言っているよ。「過去の災害によってウィルコムが通話規制を行ったことはない」ってね。

Iちゃん

そういうことなんだ。
分かった!だから、PHS同士の通話なら通話規制もないしかかり易いのね。
図1の(注)に書いてることは、そのことなんだ。

Pパパ

図3 ウィルコムPHS同士の通話・通信
ウィルコムPHS同士の通話・通信

ほほう!頭がいいね。
それを技術的に説明してあげよう。
図3がそれだ。
PHSは、本来、NTTによる通話規制を受ける仕組みにはなっているんだが、ウィルコムは、NTTの交換機にITX(IP transit exchange)という装置を設置しているんだね。ITXは,NTTとの接続料(アクセス・チャージ)を支払う必要があるNTTの回線をバイパスし,ウィルコムのIP網を経由してウィルコム同士の通話/通信を直接接続するためのゲートウエイのことなんだ。
こうしたバイパス方式は、ウィルコムPHS同士の音声通話の定額制を実現するために設けられたんだが、同時にウィルコム同士であればNTT回線を経由しないため、緊急時でもNTTの通話規制を受けることなく、つながり易いことを意味していることが分かるだろう。(図3)。

Iちゃん

よく分かりました。

Pパパ

でもね、PHSにも弱みはあるんだ。

Iちゃん

えーっ!第1位じゃないのー?

Pパパ

うん、それはね。
基地局の電源の問題だ。
携帯電話の倍もあるPHSの基地局に携帯電話と同じような設備(バッテリー)を持つのは現実的ではないので、一部の基地局には持っているものの、殆どの基地局にはバッテリーは備え付けられてはいないんだ。

Iちゃん

あら、じゃあ駄目じゃないの?

Pパパ

それがそうでもないんだね。
今度の計画停電で分かったと思うが、電力会社の電力供給ルートは多岐に渡っているので、一網打尽に停電になる確率は少ないんだね。
そのために、被災地で停電が発生しても、一部の変電所からの電力供給が残されていれば、比較的広い範囲で生き残る基地局があるというしかけだ。基地局数が多いからカバーできるんだね。
もっとも、今回のような大きな津波で壊滅的な打撃を受けたら駄目だけれどね。

それにね、停電からの復旧も,変電所ごとに供給が再開されることが多いため、同様のことが言えるんだよ。自宅付近の基地局が残るかどうかは分からないものの、少し歩けば稼働している基地局が見つかる可能性はあるってわけだ。

Iちゃん

そうか、PHSが災害に強いわけが分かったわ。
パパ。話を変えて悪いけど、PHSにも「災害伝言サービス」はあったわよね。

Pパパ

うん「ケータイ“災害用伝言板”」 というのが「NTTドコモ、au、ソフトバンクモバイル、イー・モバイル、ウィルコム」にできたね。
このことは、携帯端末共通の話題なので、最後に「一括説明」しよう。

図4 携帯端末の「災害伝言板」サービス
携帯端末の「災害伝言板」サービス

今日は、PHSと携帯の災害耐力について話そうと思ったが、PHSで盛り上がってしまったので、時間が無くなってきたね。

携帯電話は、次回に回そう。
いいかな?

: OKでーす!

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