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I(愛)ちゃんとP(パパ)とO(小野田君)の会話が続きます。

イラスト

Iちゃん

今日は最近NTTが公表した「公衆網のIP網移行計画の話」の続きだったわよね。
引き続き小野田君がやってくれるのよね。

小野田君

そうです。
前回は大まかなスケジュールとサービス面に特化して報告しました。
今回は、前回残した「デジタル通信モード」や料金面などについてお話します。

Iちゃん

「デジタル通信モード」って何のこと?

小野田君

では、そこから説明しますね。
NTTが提供しているISDNサービスを「INSネット」というのは知ってるよね。

Iちゃん

はい、知っています。「INSネット64」と「INSネット1500」の2つがあるのも知ってるわ。

小野田君

図1 廃止されるモード
図1 廃止されるモード

そのことと、今回サービス提供が廃止になる「ディジタル通信モード」について説明します。「INSネットは、ディジタル通信、通話、パケット通信の3種類のモードで通信が可能なんです。このうち、終了が迫られているのが「ディジタル通信モード」なんですね。

Iちゃん

それで?

小野田君

図2を見て下さい。チャネルは2種類(BチャネルとDチャネル)があります。そのことと「ディジタル通信モード」との関係も示しました。

図2 INSネットの提供状況(ディジタル通信モードの廃止)
図2 INSネットの提供状況(ディジタル通信モードの廃止)

Pパパ

ISNネットの加入者数は、今、どのくらいかな?

小野田君

はい、調べてあります。
NTT東西の合計で、全加入者数は337万、そのうちINSネット64が256万、INSネット1500が81万だそうです。
また、ディジタル通信モードの利用は約15万契約だそうです。

Iちゃん

ディジタル通信モードの用途は?

小野田君

64kbps(あるいは128Kbps)でデータ通信を行うときに使用するのが「ディジタル通信モード」なんですが、その主な用途は「POSレジ」(*1)「EDI」(*2)「CAT端末」(*3)「警備端末」「G4FAX」などです。

Iちゃん

分りました。
2024年1月には「ディジタル通信モード」が廃止になることは分ったけど、その後の対応はどうなるの?

小野田君

そうですね。
NTTは、次の2つを提案しています。
① ISDN対応端末等のライフサイクルに合わせたオールIP化(IP対応端末への更改及び光回線、無線によるIPサービス
② 提供終了時期までにISDN対応端末の更改が間に合わないお客様への当面の対応策として、切替後のINSネット上のデータ通信(「補完策」)を提供します。

Iちゃん

補完策って何?

小野田君

その説明をしますね。
図3を見て下さい。
先ず、現状と2024年との比較です。ここでNTTは「補完策」を提案しています。
図3と表1に示したようなものになります。

図3 切替後のINSネット
図3 切替後のINSネット
※現行の「INSネット ディジタル通信モード」とは品質が異なるため、
 利用する機器によっては処理時間が増加する場合がある。

表1 NTTが提案する「切替後のINSネット上のデータ通信補完策」
表1 NTTが提案する「切替後のINSネット上のデータ通信補完策」
図3と表1の出典:NTT報道資料(2017年10月17日)

Iちゃん

小野田君、冒頭の説明で「料金のこと」も説明するって言ったけど、変わるの?

小野田君

はい、変わります。
といっても「基本料金」は変わりません。変わるのは固定電話の通話料です。

Iちゃん

具体的に教えて!

小野田君

図4 通話料金が変わる
図4 通話料金が変わる

NTTは、IP網への切替後も、既存のメタルケーブルを継続利用する考えで、市場環境が著しく変化しない限り、固定電話の基本料は、現在の基本料と同額とする考えなんだそうです。

Iちゃん

通話料金はどのくらい下がるの?

小野田君

図5 通話料が格安に!

図5 通話料が格安に!

はい、IP網切替後の固定電話の国内通話料は、距離に依存しないIP網の特性を活かし、固定電話への通話は全国一律3分8.5円(税抜)とする考えだそうで、劇的に下がります。
国際通話料金は検討中だそうですが・・・・。
具体的には、表2です。

表2 IP網切替後の通話料金
表2 IP網切替後の通話料金

Iちゃん

固定電話はあまり使わないけど、例えば札幌にかけた場合、どのくらい安くなるのかな?

小野田君

そうですね。例えば、東京−札幌間なら800km以上なので、表2のように従来は45秒で10円なので、3分は180秒で4度数、つまり40円だよね。それが8円50銭になるのでいままでの約21.25%(約8割安)ということになります。

Iちゃん

エーッ、凄〜い。

小野田君

市内(区域内)通話は、今の3分8.5円と同じだから、長距離通話が安くなるということですね。もともと固定電話の料金収入が少なくなっていますからね。
固定電話の県内通話と県外通話の比率を総務省のデータを調べたら、6:4の比率でした。(*4)
ところで、お父さん、IP網に変わると119番や110番の指令台などから、着信呼を保留しておき「呼び返すこと」が出来なくなると聞きましたが、その意味が分りません。
また、呼び返せなくなると大変だと思うんですが、NTTなどの対応について教えてくれませんか?

Iちゃん

ちょっと待って。
質問の意味が分らないわ。例えば「110番通報」をしたけど、何かの事情で電話が繋がらなかったとき、警察庁の方から「呼び返し」が出来なくなるってこと?
それって大問題だわよね。

Pパパ

うんうん、その通りだ。
小野田君、よい所に気付いたね。
技術的な問題を含んでいるので、私が次回説明しよう。

*1
POSレジ:レジは「レジスター」でPOSは「Point Of Sales」の略で、日本語では「販売時点情報管理」と訳され、POSレジとは「お客様と金銭のやりとりをした時点での販売情報を管理するシステムを搭載したレジのこと。
*2
EDI:electronic data interchangeの略で、従来は紙ベースだった注文書や納品書、請求書など、企業間で行われる商取引のなかで交換される文書を、標準的な規約(可能な限り広く合意された各種規約)を用いてインターネットなどのネットワーク経由でやりとりすること。あるいは、そのための仕組み。
*3
CAT端末:Credit Authorization Terminal(信用照会端末)の略で、クレジットカード出支払いをする時に使われる決済機のこと。
*4
総務省のデータ:平成27年度「通信量からみた我が国の音声通信利用状況」で、固定電話の県内通話との比率は60.1%:39.9%。

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