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I(愛)ちゃんとP(パパ)とO(小野田君)の会話が続きます。

イラスト

Iちゃん

今日は、小野田君が「ネットの炎上」の話をしてくれるんだったわよね。
ご苦労様。

小野田君

そうです。
では、いつも楽をしている愛ちゃんに質問です。

Iちゃん

楽をしているとは失礼ね。
前回は私が担当したのよ!
でも、全体ではそうかも知れないので質問をどうぞ。(笑)

小野田君

では、質問です。
「炎上」の意味を言ってください。

Iちゃん

ほっほっほ。
多分そんな質問が来るかも知れないと思って調べておいたわ。
「炎上」とは「火が燃え上がること」で、3つの事例が分かり易いわ。

  1. 小型飛行機が離陸直後墜落して民家が何軒か炎上した。
    →調布で小型飛行機が離陸直後に墜落、民家を焼き3名の方が亡くなった事件が記憶に新しいわよね。
  2. 強風に煽られて住宅が炎上、大量に消失(炎上)した大火災事故。
  3. ネットのブログやツィッターなどで、非難や中傷の投稿が多数殺到して非難集中でそのサイトが閉鎖に追い込まれた。これが「ネット炎上」ね。

などが代表的な事例です。

Pパパ

ほほう。事前に調べておくとは、少し成長したね。
「吉原炎上」とか「金閣寺炎上」などが有名だが、この話は脱線になるから止めておこう。
いまや3)の事例が取り上げられることが多く「ネット用語」になった感もあるね。
本来の炎上の意味から「消火や鎮静ができないくらい勢いが強くなっている状態」の意味も含まれているんだ。

小野田君

図1 ネット炎上
図1 ネット炎上

では、本題に入ります。
ネット炎上は、多くの場合問題を起こすような行動を起こして、それに反応した沢山の人が一度に批判の書き込みを行うような行動を行うというのが一般的な構図です。

Pパパ

そうだね。
その批判も「筋が通っていない」「感情の爆発」みたいなのが多く、難癖をつけたようなものが多いのも「ネット炎上」の特徴の1つだね。

小野田君

そうです。
投稿の語尾が「〜そうだ」とか「〜のようです」などのような間接的な言い回しなのに、その情報を鵜呑みにして事の真相が不確かなまま炎上することもあるんですね。

Pパパ

うんうん、それはね、人間が「事実」や「真実」を信じるのではなく「自分が信じたいことを信じる動物」だという心理的な一面が効いているように思えるね。

Iちゃん

インターネットの炎上が最近話題になっていて、NHKテレビのニュースでも報じられていたけど(*1)その被害者は「もう外も歩けない、私の人生が終わったように思う」なんて事例も報じられているけど、どうして無くならないのかしら?

小野田君

はい、それは「匿名可能」だったり「相手の顔が見えない」などが関係すると言われています。

Iちゃん

最近「ネット炎上」で大きな話題がありますか?

小野田君

いくつもありますが、国の機関(総務省)が謝罪した事例があります。

Iちゃん

えーっ!
総務省が「ネット炎上」を起こして謝罪したのー?

小野田君

そうです。
「ICTプロジェクト」というのがあって、その「紹介ツィート」について「不適切な表現」があったといって謝罪したんです。

Iちゃん

「不適切な表現」って何?

小野田君

「ICT女子プロジェクト」は、テレコムサービス協会が報道発表したもので、ITを用いて活動する「ICT女子」に活躍の場を提供する企画だったんです。
将来、IT分野で活躍したいと望む女性「ICT48」を公募するサイトを公開したんです。
総務省は2016年の6月9日、ITに関する取り組みを紹介する公式Twitterアカウント「総務省ICTツイート」(@MIC_ICT)でこの企画を紹介しました。
ただ、「ICT48」の募集要項に、年齢制限(13〜24歳)があったことや、応募書類に身長、体重、全身写真を求める記載があったことなどから「ITで活躍する女性と年齢や容姿は関係ない」などと批判が集まり、ネット炎上の状態になったんですね。
そこで、同協会は12日までにページを白紙の状態にしたんです。

Iちゃん

そうなんだ。

小野田君

その原因の一つは、総務省が6月13日に「報道資料等について内容を精査することなく、『総務省ICTツイート』で拡散してしまったことです。
報道資料のリンク先に不適切な記載があることに気づかず発信してしまったことについてお詫びする」と謝罪のコメントを発表したんですね。

小野田君

もう一つ事例を挙げると、こんなのがありましたね。
お二人とも記憶に新しいと思いますが···。
「コンビニおでんを指で「ツンツン」男を逮捕、動画投稿で大炎上」というものです。
これは、コンビニのおでんを指で「ツンツン」とつつく動画をInstagramに投稿し、炎上していた男が昨年の12月15日、逮捕されたんですが、容疑は威力業務妨害および器物破損でした。

Iちゃん

うんうん、その話覚えています。
ネットが炎上する理由というか原因は何かしら?
「人間は自分が信じたいことを信じる動物」とかいったけど、いまひとつピンと来ないわ。

小野田君

図2 理由は4つある
図2 理由は4つある

そうですね。
考えられる理由に次のようなことが言われています。

① 物理的に誰の目にも自分が見られない「閉鎖性」が、安易に発言する(書き込む)理由。
これは、匿名掲示板だけでなくFacebookでも同じようなことが起こることからも言えるそうです。

②「擬似的復讐」があるそうです。
例えば、事件や死亡事故で加害者がネット上で激しく責められるのは、書き込み者が被害者に感情移入して被害者に代わって復讐する真理だそうです。

③「群集心理」的な面です。
掲示板やTwitter、SNSなど書き易い一面もありますが、「みんなも言っているので俺も言いたいことを言っていいんだ」みたいな心理だそうです。

④「ストレス発散」もあるそうです。
自分にストレスが溜まっていると、ネットで見た記事に反応して「憂さのはけ口」にする心理だそうです。

Pパパ

そうだね。
多くの場合正義感からよりも「無責任な外野的発言」が多いとおもっていたが、ある調査(*2)によると、動機は「間違っていることをしているのが許せなかった」「その人・企業に失望した」といった「正義感」に基づく人が約7割に達し、「書き込むのが楽しい」や「ストレス解消」は合わせても2割弱だった、そうだ。

Iちゃん

そうですか。
でも、炎上するくらいだから「書き込む人」は多いんでしょうね?

小野田君

それが驚きです。
ある調査(*2)によると、4万人について調べたところ「たった0.7%」だったそうです。
そして、何回書き込んだか聞いたら、3回以下が7割で残りの3割は4回以上で多い人は50回以上書き込んだそうです。
それを、図3に示しました。

図3 ネット炎上、過去1年間に書き込んだ人(4万人調査/2016年)
図3 ネット炎上、過去1年間に書き込んだ人(4万人調査/2016年)
出典:朝日新聞DIGITAL(2016.7.6)(*3)

小野田君

平均して1日1件以上起きているとされる「ネット炎上」について、4万人に尋ねた結果ですが、書き込んだ人の割合が少ないことに驚きますよね。
でも51位回以上書き込んだ人がその中の3%もいるのにも驚きです。

Pパパ

いやいや、ビックリだよ。4万人中0.7%ということは、280人もいるんだ。
少ないとはいえないよ。

Iちゃん

私、先日NHKのテレビ「あさいち」を見ていたら「ネット炎上」の話題があって、図3のようなデータが出ていました。メモしておいたんだけど2万人調査で1.1%のひとが書き込みをしていたと言っていました。
割合はともかく「ネット炎上」が結構あって被害が大きいのね。それはとても困った現象ね。
炎上しないようにするには、どうしたらいいのかしら?

小野田君

図4 ネット炎上率?
図4 ネット炎上率?

そうですね。
調べた範囲でお答えすると、4つ注意事項あるようです。

① ネットの閲覧者は予想のつかない人も多い。発言(書き込み)は「常識の範囲」ですることだね
② 友人同士では問題が無く「最高の思い出」のような写真なども、不特定多数のネットユーザーにとっては「格好の炎上材料」になるかもしれないので「要注意」
③ 炎上すると個人情報が大変な影響をもつので、個人情報の書き込みは避けた方が良い
④ 普通の火事なら消火が可能だが、ネットの炎上は消すことができないので、書き込みは慎重の上にも慎重にといったところだ。

愛ちゃんは「不注意が多い」から特に注意して欲しいところだ。

Iちゃん

はい、注意します。

Pパパ

ところで「ネット炎上」が最近問題になっている証拠に企業向けに「ネット炎上保険」なるものが生まれたのを知っているかな?

小野田君

あっ、そうですね。
先日NHKのテレビで報道されましたね。(*4)

Pパパ

見たかい。内容の説明が出来るかな?

小野田君

はい。損害保険ジャパン日本興亜が始めたもので、インターネット上で企業のマイナスイメージにつながる情報や批判が広がって「炎上」した場合に備えた保険ですね。炎上の拡散防止やメディア対応の費用を補償します。従業員の不祥事やキュレーション(まとめ)サイトも対象になるようです。ネット上の炎上を対象にした保険は国内で初めてだそうですね。

Pパパ

そうだね。食品への異物混入や従業員による不衛生な行為などで炎上した場合、経緯などを分析したリポートの作成費用やコンサルティング費用、新聞やテレビなどへの謝罪広告費を補償するんだよ。保険金の限度額は1000万円で保険料は年平均50万〜60万円程度だ。
ただし、当然のことだが、保険金目当てでわざと炎上して注目を集める「炎上マーケティング」と認めた場合は保険金は支払われないがね。

Iちゃん

そうなんだ。時代ね。
「ネット炎上」の話は理解しました。
炎上の火元にならないことや、炎上させる側にもならないように注意します。
話は変わるんですけど、先日テレビニュースで「これからのスマホ等のウエラブル端末に、新素材が使われる」「その新素材はノーベル賞を貰った"グラフェン"」というのを聞きました。
その「グラフェン」について教えて欲しいんだけど····。

Pパパ

分った。次回はパパが担当しよう。

Iちゃん

お願いします。

*1
NHKニュース: ネット炎上についてNHKTVの「おはよう日本(朝7時台)」で2016年07月10日取り上げている
*2
ある調査:慶応大の田中辰雄・准教授と国際大グローバル・コミュニケーション・センターの山口真一講師。出典は朝日新聞DIGITALの2016年7月6日版。
*3
調査:慶応大の田中辰雄・准教授と国際大グローバル・コミュニケーション・センターの山口真一講師。
*4
NHKテレビ報道:平成29年3月6日の首都圏ネットワークで紹介された。

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