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I(愛)ちゃんとP(パパ)とO(小野田君)の会話が続きます。

イラスト

Iちゃん

今日は、「スマートグリッドの話」の続きよね。
小野田君が前回言ってた「言い出しっぺはオバマ大統領」の話から聞きたいな。

Pパパ

困った娘だ。
自分の興味優先だからね。
では、その話からいこうか。
オバマ大統領が就任した当時、いろんな政策を打ち出したんだが、その中の一つが「グリーン・ニューディール政策」というものなんだ。

小野田君

最近あまり聞きませんね。

Pパパ

そうだね。
オバマさんもいろんな問題を抱えているし、世界情勢も大きく変わってきたからね。

Pパパ

ただ、言い出しっぺ元祖(オリジナル)はオバマさんではないんだ。
英国を中心にした「グリーン・ニューディール・グループ」というのがあってね。
ここが「ニュー・エコノミック財団」を通して発表したレポートが基になっているんだよ。

Iちゃん

じゃあお株を取り上げたの?

Pパパ

いやいや、このレポートは世界中から注目を浴びたんだが、オバマ大統領は大統領選挙前から「環境を重視したエネルギー政策」を強く打ち出していて、就任後出したのが「グリーン・ニューディール政策」なんだ。
スマートグリッドは世界的な方向になっていたんだよ。

小野田君

そのオバマの政策の内容を説明する前に、アメリカの電力事情を話そうか。
実は、アメリカの電力網は日本よりもずっとレベルが低いといっていい。
何しろ「停電」が多い。
愛ちゃん「ニューヨーク大停電」の話を知っているかい?

Iちゃん

なんか聞いたことあるけど・・・。

Pパパ

「北米大地震」と呼ばれるんだが、2003年8月14日に起こったアメリカ史上最大の停電だ。
ミシガン州からニューヨークにまたがる一帯、北米で最も人口の過密した帯状の地域を暗闇に包んだんだ。午後2時(東部夏時間)頃から、まずオハイオ州イーストレークにあるファーストエナジー社の発電所で不安定な兆候が見られ、3時6分に送電線の1本が機能を停止。3時32分、ハンナ=ジュニパー線と呼ばれる別の高圧線も送電できなくなったという、「回復に30時間もかかった」史上最大といってもいい規模の停電だった。
因みに、主な国の年間停電時間を比較してみると、図1のようになっているんだ。

Iちゃん

あらー、日本はダントツに少ないわね。

Pパパ

図1 ユーザー1軒当たりの年間停電時間*1
図1 ユーザー1軒当たりの年間停電時間 *1

そうだ。
だから小野田君、PBXの電源の停電耐用時間の規定は技術基準には規定が無いだろう。

小野田君

そうですね。
1985年までは技術基準に3時間保持が規定されていましたが、今は基準が無く、極端に言えば「バッテリ」を持っていなくてもいいんですよね。

Iちゃん

そうか!
それほど日本では停電は珍しいということね。

Pパパ

アメリカは、日本に比べて送電線網の品質が悪く、その改善のためにも「スマートグリッド」が必要なんだ。

小野田君

そうすると、日本とアメリカの「スマートグリッド」に対する考え方は違いますね。

Pパパ

そう、そのとおり。
その比較をしたのが、図2だ。

図2 米と日本の「スマートグリッド」に対する考え方
図2 米と日本の「スマートグリッド」に対する考え方

小野田君

アメリカは、送電線網の品質をあげるためにも「スマートグリッド」の推進が必須なんですね。

Pパパ

そうなんだ。
そもそもオバマ政権が「米国のグリーン・ニューディール政策の柱」として打ち出したことから一躍有名になったんだが、米の旧来の送電線は、大規模な発電所から一方的に電力を送り出す方式だったんだが、需要のピーク時を基準とした容量設定では無駄が多かったんだよ。
しかも、送電線自体が自然災害などに弱く、復旧に手間取るケースもあったので、「送電の拠点を分散し、需要側と供給側双方から電力のやり取りができる“賢い電力網”」が望まれたんだね。

小野田君

分かりました。
送電網の強化の他に、何か大きな利用法の変化などがありますか?

Pパパ

そうだね。
我々の生活と密接な関係のある利用法は「エコカーとの連携」だね。
電気自動車やハイブリッド車、プラグインハイブリッド車などのエコカーには、電力を貯蔵するための電池が搭載されている。スマートグリッドを使えば、電力需要が低い時間帯に充電することができるだけでなく、近い将来、災害などの緊急時にエコカーの電池をエネルギー貯蔵庫として使用することも可能になることだ。

Iちゃん

もうハイブリッド車や電気自動車は実現しているわよね。

Pパパ

うんうん。
まあ、日本の場合は、スマートグリッドにしなくても、現在の電力網のなかで普及し始めているんだがね。
スマートグリッドのモデルハウスのイメージ(図3)を持ってきたので見てくれないか。

図3 スマートグリッドのモデルハウス
図3 スマートグリッドのモデルハウス

Iちゃん

そうなんだ。
自宅でEV(電気自動車)の充電もするんだ。
「頭のいい賢い家」だから「スマートハウス」って呼べばいいのに!

Pパパ

はーはっはは。
その通り。スマートハウスって呼ぶんだよ。

Iちゃん

えーっ、本当?
私って凄いな!
スマートハウスについて説明して!

Pパパ

ちっとも凄いとは思わないけど、説明は時間が来たので次回にしよう。

小野田君

スマートグリッドの大体のイメージは湧きました。
スマートハウスを含めて日本の状況なども、次回、お話してくれませんか。
そうそう、スマートグリッドと通信の話もまだ深く聞いていませんでした。

Pパパ

そうだったね。
では、次回はその線で行こう。

*1
ユーザー1軒当たりの年間停電時間:出典は「電気事業の現状:電気事業連合会」で、
(1) 日本は2007年実績
(2) アメリカはニューヨーク、カリフォルニアともに荒天時を含む2006年実績
(3) ドイツは荒天時を含む2006年実績
(4) フランスは荒天時を含む2004年実績
(5) イギリスは荒天時を含む2006年実績。ただし、計画停電および送電線事故に起因する停電を除く。

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